そばにいるって、君が忘れないように

「え?」と彼はうしろを向いた。


「あ、ごめんなさい……やっぱり、いるよね」
 

私はその場に止まり、うつむく。


「いないけど」
 

亮先輩は私の数歩先で止まった。


「えっ、そうなの?」と私が顔を上げると、なになに、と彼は笑った。


「もう……亮先輩も、みんなも、いるのかなって」

「いないよ。他のやつたちも」

「そう……よかった」

 
私は小さく囁いた。
 
たぶん、亮先輩には聞こえていないだろう。
 
本当に、私は心の底から安堵した。


「ねえ、のどか」