そばにいるって、君が忘れないように

「なにを?」

「私……もう、この、付き合ってるっていう設定、やめたい」

 
武の顔が徐々に曇っていくのが分かった。


「約束と違うじゃんか」

「そう、そうだけど……。やめたいから、やめるね。……ごめんっ」

 
私はその場から逃げるように足を速めた。
 
武の顔が、私の知らない、武の顔になっていた。


「おい、のどか」

 
背中の方から武が叫ぶ声がする。
 
逃げないとと思って必死に必死に走った。

逃げた。


すると、武が私の腕を強くつかんだ。


「なんで急にやめるんだよ」