そばにいるって、君が忘れないように

ギクッ。
 
気づかれていないと思ってたのに……。


「はあ……何で気づくんですかあ」

「ん~? バレバレ」と亮先輩はキャンバスから視線を外さずに笑った。


「亮先輩はなにを描いてるの?」
 

私は立ち上がり、亮先輩の後ろに立って彼のキャンバスを覗く。


「さあ、なんだろうね」
 
 
そこに描かれていたのは、麦わら帽子をかぶって、こちらに笑顔を向ける少女だった。

 
なんか、見覚えがあるような気がする。
 
気のせいか? 

うん、たぶん気のせいだ。


「私、小さい頃、これに似た麦わら帽子をかぶってました。すごく好きで」

「そうなの?」

「うん。今、ひさしぶりに思い出した」