そばにいるって、君が忘れないように

「のどか?」


それに反応して顔を上げると、そこにはキングが立っていた。


「キング……」


どうやら彼は犬の散歩をしていたようだった。
 
手にはリードがあり、柴犬が笑顔でこちらを見ていた。 



武のこともあって先輩たちとはこのごろ疎遠になってしまっていた。

お昼休みも、武と食べていたのでベンチには行かないでいた。

行けなかった。

五人と顔を会わせるのが気まずかった。

武と付き合っていると告げられたときのみんなの表情が……私の心を遠ざけた。


自分勝手だなって、自己中だなって自分でも分かっている。

分かっているから……つらい。

本当に私は最低な人間なんだ。

あんなに良くしてくれた先輩たちを簡単に捨てたのと同然だ。