そばにいるって、君が忘れないように

キ……キス……? 

はぇ?


私の思考は完全に停止した。
 
さっきまで真面目な顔をしていた純斗くんだったが、急に表情を柔らかくしたと思ったらいつもみたいに可愛く笑いだした。


「あはぁー、冗談だよ」 
 

そう言って彼は私から離れた。


「いや、本気だったけど……」

 
そして彼は私に聞こえないような声でなにかを呟いた。
 
なんか、ゴモゴモと聞こえた気がするけど、聞き取れなかった。


「ん?」

「なんでもないよぉだ」

 

私はその夜、ベッドのなかで大議論会をした。


「キス……」