純斗side 僕は無性にイラついた。 鼻と鼻が触れるくらいの距離でのどかを見つめる。 「純斗くん……?」 のどかは何も分かってない。 僕たちのことも。 自分のことも。 僕はもう一度のどかの傷ついた頬を手で優しく包んだ。 のどかの瞳。 のどかの肩。 のどかの手。 のどかの足。 すべてが僕のものだったらいいのに。 「はあ……」 もう僕はすっかりのどかのことが好きになったみたいだ。 「ねぇ、のどか」 「ん?」 彼女の潤んだ瞳が僕のことを捕えた。 「キスしていい?」