そばにいるって、君が忘れないように



──ドクン

 
私の胸は高鳴った。


「純……斗、くん?」
 

私は上半身だけ起き上がらせて彼を見る。
 
私と彼との距離が縮まった。

 
すると、純斗くんの綺麗な手がこちらに伸びてきて、私の頬に優しく触れた。


「いっ……」
 

ヒリッと痛むような気がして、私は体を一瞬縮こませた。


「これ、どうしたの?」と彼が訊いてきた。

「あ……これは……」


なんて言えばいいんだろう。
 
いじめられてる、なんて言ったら心配するはずだ。
 
いつも通りの純斗くんやみんなでいてほしい。
 
心配なんて……かけたくない。


少し迷ったあと「なんでもないよ」と私は無理やり笑顔をつくった。
 

すると、純斗くんは私のことを思いっきり引き寄せた。