もう、何も考えることができない。
私は勢いよく創先輩に抱きついた。
「は、は?」
なにしてんだよ、と創先輩は私のことを剥がそうと必死だ。
だから私はもっと力強く抱きしめてやった。
「ありがとう創先輩。私、創先輩大好き!」
「ちょ、やめろよ」
「離さないっ!」
創先輩は観念したのか動くのを止めた。
私はただただいつもはクールで冷たい創先輩が本音をぶつけてくれたことが嬉しかった。
私の味方でいてくれるなんて……。
それだけでなんと誇れることか。
なんと心強いことか。
──のどか
突如脳裏で昔の記憶が再生し始めた。
