そばにいるって、君が忘れないように



そのときから彼は変わってしまった。 
  
私とは一切口を利かなくなり、私は一人になった。


武がつるんでいた仲間たちが私のことを気持ち悪がっていたのは知っていた。

廊下を通りすぎる度にこちらをジロジロと見て、なにやら嫌な笑みを浮かべる。

その雰囲気が嫌いだった。

はっきりとは聞こえない話し声。

私の悪口を言っているということは容易に分かった。


きっと武も陰ではこうやって私の悪口を言ってるんだろうな……。


信頼していた人に裏切られる辛さをそのときに知った。

だから、私はあいつが大嫌い。

私のことを裏切ったあいつを見ると、心が締め付けられる苦しみを思い出すのだ。