〇都内・高層ビルの八階にあるカフェの個室(夕方)
 伊織、ハッとなって、
伊織「こほん。失礼しました。つい、はしたない声を」
昴「別に構わない。この交流会への意気込みを感じた」
 昴、真顔で言う
 伊織、にっこりと微笑んで、
伊織「ではまず、自己紹介から。聖カメリア女学園高等部二年、松下伊織と申します」
昴「県立第一東高校一年、星村昴」
 涼、大仰な仕草で一礼する
涼「私立黒岡学園高校二年、高島涼。久方振りに会えて光栄です。麗しの君」
 涼、片膝を折ってひざまずき、伊織の左手をそっと持ち上げる
 伊織、笑顔を保ちながらも、やんわりと手を払いのける
伊織「では始めましょうか。第一期の交流会を」

〇カフェの個室に隣接した部屋(夕方)
 絵里と晴美、モニター三台で、交流会を始める伊織を見守っている
絵里「晴美様、いいんでしょうか、こんな事」
 絵里、おろおろと晴美を振り返る
 晴美、豪華な一人用ソファに座って、優雅に紅茶を楽しんでいる
晴美「いいも何も、今回の企画の目的だもの。何ら恥じる事は無いわ。気が引けるなら、いいのよ」
絵里「いえ、やり遂げます。伊織お姉様に嘘をつくのは心苦しいのですが」
 絵里、伊織には渡されていない書類を見る
絵里「殿方の幼馴染みに、伊織お姉様はどのようなお顔をされるのでしょうか。楽しみです……!」
晴美(趣旨からズレてはいるけれど、まあいいでしょう)