〇聖カメリア女学園高等部の校門(夕方)
伊織、女性の守衛や警備員に会釈しながら、外に出る
伊織(確か、最寄り駅から引き継ぎ無しで、二駅目)
〇私鉄の駅の中(夕方)
伊織、私鉄の駅に入り、往復の切符を購入して、領収書も受け取る
周りからの視線を感じ、背筋を伸ばす
利用客「見て、あれ。聖カメリア」
利用客「電車に乗るんだね。ていうか切符の買い方、分かるんだ」
利用客「庶民的な御嬢様なんじゃない?」
男子中学生「すげぇ! 本当にいるんだ」
男子中学生「そりゃ実在はしてるだろ……じろじろ見てると失礼だぞ」
男子中学生「あ、あの!」
伊織、声をかけられ、顔を上げる
どこか期待しているような男子中学生の顔に、にっこりと笑う
伊織「ごきげんよう。何か御用ですか?」
男子中学生達「おおぉ……!」
男子中学生「すみませんこいつらミーハーで、ほら行くぞ、ほんとすいませんでした!」
男子中学生の一人がぺこぺこと頭を下げ、友人達を引き摺りながら歩き出す
伊織(そう。聖カメリアってこういう評価をされがち)
伊織、笑顔を保ちながら歩き出し、改札口を通る
伊織(今日会う他校の男子生徒も、きっとそういう奴ら)
伊織、電車に乗る
席は空いているが、座らず、棒に掴まって立つ
〇都内・高層ビルの八階にあるカフェの個室(夕方)
伊織(向こうの男子生徒三人が固まったら、こっちは女三人でお喋りしていればいい)
伊織、店員に案内された席に着く
伊織(こんな高級なお店なのは想定内。何せ聖カメリア女学園の生徒が使うお店だから)
店員「松下様」
伊織「は、はい?」
伊織、びくっとする
店員「お相手様の到着が少し遅れてしまうとの事です。宜しければ、先にお飲み物だけでもいかがでしょうか」
伊織「では……コーヒーを、ブラックで」
店員「畏まりました」
伊織(緊張したぁ。……何で緊張してるの? 店員さんなのに)
店員「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」
伊織「あ、有り難う御座います」
伊織、コーヒーには手を付けず、窓の外を眺める
伊織(暇だなぁ。でもスマホいじるのは良くないし。というか)
腕時計を見る、午後五時十分
伊織(交流会は五時からだよね? 遅刻じゃん。いや、でも)
伊織、室内を見渡す
伊織「晴美お姉様と絵里もいない……」
伊織、スマホにメッセージが入った事に気づく
晴美『御免なさい。御父様が許可して下さらなくて』
絵里『急なのですが美術展にお呼ばれしてしまって、行かなくてはいけなくて……!』
伊織「そうだと思ったよ、もう!」
伊織、スクールバッグにスマホをしまう
他にもメッセージが入っている事に気づいたが、それは見ない
伊織「というか男子生徒の方も遅れてくるなんて」
伊織、足音が近づいている事に気づき、表情を取り繕って背筋を伸ばす
扉が開く
玲司「遅れて申し訳ない」
伊織「え」
玲司「獅子堂高等学校三年、森山玲司と申します。本日は宜しくお願いします」
小さな花束を持った玲司がいた
伊織、ぽかんと口を開けるも、慌てて笑顔を浮かべる
伊織「なーんだ、玲司さんだったの。嬉しいわ。今日お会いするのが貴方……で……」
今度は騒がしい足音が聞こえる
涼「御免ね遅れて、御姫様! お詫びに、できる事なら何でも」
昴「邪魔。どけ。伊織さん、この二人は追い出して俺と――」
部屋に入ってきた男子生徒二人
それぞれ制服が違う
伊織、あんぐりと口を開ける
伊織「今日の交流会の参加者って、あんた達だったの――!?」
伊織、女性の守衛や警備員に会釈しながら、外に出る
伊織(確か、最寄り駅から引き継ぎ無しで、二駅目)
〇私鉄の駅の中(夕方)
伊織、私鉄の駅に入り、往復の切符を購入して、領収書も受け取る
周りからの視線を感じ、背筋を伸ばす
利用客「見て、あれ。聖カメリア」
利用客「電車に乗るんだね。ていうか切符の買い方、分かるんだ」
利用客「庶民的な御嬢様なんじゃない?」
男子中学生「すげぇ! 本当にいるんだ」
男子中学生「そりゃ実在はしてるだろ……じろじろ見てると失礼だぞ」
男子中学生「あ、あの!」
伊織、声をかけられ、顔を上げる
どこか期待しているような男子中学生の顔に、にっこりと笑う
伊織「ごきげんよう。何か御用ですか?」
男子中学生達「おおぉ……!」
男子中学生「すみませんこいつらミーハーで、ほら行くぞ、ほんとすいませんでした!」
男子中学生の一人がぺこぺこと頭を下げ、友人達を引き摺りながら歩き出す
伊織(そう。聖カメリアってこういう評価をされがち)
伊織、笑顔を保ちながら歩き出し、改札口を通る
伊織(今日会う他校の男子生徒も、きっとそういう奴ら)
伊織、電車に乗る
席は空いているが、座らず、棒に掴まって立つ
〇都内・高層ビルの八階にあるカフェの個室(夕方)
伊織(向こうの男子生徒三人が固まったら、こっちは女三人でお喋りしていればいい)
伊織、店員に案内された席に着く
伊織(こんな高級なお店なのは想定内。何せ聖カメリア女学園の生徒が使うお店だから)
店員「松下様」
伊織「は、はい?」
伊織、びくっとする
店員「お相手様の到着が少し遅れてしまうとの事です。宜しければ、先にお飲み物だけでもいかがでしょうか」
伊織「では……コーヒーを、ブラックで」
店員「畏まりました」
伊織(緊張したぁ。……何で緊張してるの? 店員さんなのに)
店員「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」
伊織「あ、有り難う御座います」
伊織、コーヒーには手を付けず、窓の外を眺める
伊織(暇だなぁ。でもスマホいじるのは良くないし。というか)
腕時計を見る、午後五時十分
伊織(交流会は五時からだよね? 遅刻じゃん。いや、でも)
伊織、室内を見渡す
伊織「晴美お姉様と絵里もいない……」
伊織、スマホにメッセージが入った事に気づく
晴美『御免なさい。御父様が許可して下さらなくて』
絵里『急なのですが美術展にお呼ばれしてしまって、行かなくてはいけなくて……!』
伊織「そうだと思ったよ、もう!」
伊織、スクールバッグにスマホをしまう
他にもメッセージが入っている事に気づいたが、それは見ない
伊織「というか男子生徒の方も遅れてくるなんて」
伊織、足音が近づいている事に気づき、表情を取り繕って背筋を伸ばす
扉が開く
玲司「遅れて申し訳ない」
伊織「え」
玲司「獅子堂高等学校三年、森山玲司と申します。本日は宜しくお願いします」
小さな花束を持った玲司がいた
伊織、ぽかんと口を開けるも、慌てて笑顔を浮かべる
伊織「なーんだ、玲司さんだったの。嬉しいわ。今日お会いするのが貴方……で……」
今度は騒がしい足音が聞こえる
涼「御免ね遅れて、御姫様! お詫びに、できる事なら何でも」
昴「邪魔。どけ。伊織さん、この二人は追い出して俺と――」
部屋に入ってきた男子生徒二人
それぞれ制服が違う
伊織、あんぐりと口を開ける
伊織「今日の交流会の参加者って、あんた達だったの――!?」
