〇カフェ・フルクトゥスの個室(放課後)
伊織、玲司の二人
玲司「二人とも用事か。涼君は部活らしい」
伊織「涼ちゃん文芸部だよね。締め切り間近?」
伊織、中学時代の涼を思い出す
黒髪で、眼鏡をかけた、地味で素朴なイメージ。今とは真逆だ
玲司「いや、演劇部だ」
伊織「演劇部!?」
伊織、大声を出してしまい、慌てて掌で口元を抑える
玲司「伊織君、涼君から聞いていない……はずはない、よな」
伊織「聞いた……と思うんだけど、インパクトが大き過ぎて逆に忘れてた」
玲司「涼君が拗ねてしまうぞ。君からどう見られているのかを気にするだからな」
伊織「そうなの?」
玲司「そうだ」
玲司、温かく笑う
伊織、その笑みを見て、昔の玲司を思い出す
伊織「そうだ玲司さん。これ」
伊織、鞄からレポート用紙とペンケースを取り出し、さらさらと暗号を書く
玲司、差し出された暗号を受け取る
玲司「ふむ。――私で良ければ教えるぞ」
伊織、玲司が昔の暗号の解読方法を覚える事に表情を輝かせる
伊織、数学の問題集を開き、分からないところを玲司に教わる
三十分くらい経ったところで、玲司の鞄の中で、スマホのバイブが響いた
玲司、スマホを確認する
玲司「すまない。生徒会からだ」
玲司、個室を出る
残された伊織、椅子の上に置きっ放しの玲司の鞄を見る
〇カフェ・フルクトゥスの廊下(放課後)
玲司、スマホの電話に出る
玲司「私だ」
生徒会役員「あ、会長! すみません、交流会の最中なのに」
玲司「……で、何があった」
生徒会役員「今の内にと思って書類をまとめているんですが、昨年の文化祭の――」
〇カフェ・フルクトゥスの個室(放課後)
玲司、個室に戻る
玲司「すまない。せっかく二人で話せる場だというのに」
伊織「ん!? だ、大丈夫だよ別に。ふふ」
玲司、伊織の顔が赤い事に気づくが、深くは訊かない
伊織「そ、そういえば、玲司さんの好きなミステリー作家さんの新刊、本屋さんで見かけたよ。ちょっと行ってみない?」
玲司「ああ、いいな。気分転換になる」
玲司、鞄を持ち上げる
伊織、玲司の二人
玲司「二人とも用事か。涼君は部活らしい」
伊織「涼ちゃん文芸部だよね。締め切り間近?」
伊織、中学時代の涼を思い出す
黒髪で、眼鏡をかけた、地味で素朴なイメージ。今とは真逆だ
玲司「いや、演劇部だ」
伊織「演劇部!?」
伊織、大声を出してしまい、慌てて掌で口元を抑える
玲司「伊織君、涼君から聞いていない……はずはない、よな」
伊織「聞いた……と思うんだけど、インパクトが大き過ぎて逆に忘れてた」
玲司「涼君が拗ねてしまうぞ。君からどう見られているのかを気にするだからな」
伊織「そうなの?」
玲司「そうだ」
玲司、温かく笑う
伊織、その笑みを見て、昔の玲司を思い出す
伊織「そうだ玲司さん。これ」
伊織、鞄からレポート用紙とペンケースを取り出し、さらさらと暗号を書く
玲司、差し出された暗号を受け取る
玲司「ふむ。――私で良ければ教えるぞ」
伊織、玲司が昔の暗号の解読方法を覚える事に表情を輝かせる
伊織、数学の問題集を開き、分からないところを玲司に教わる
三十分くらい経ったところで、玲司の鞄の中で、スマホのバイブが響いた
玲司、スマホを確認する
玲司「すまない。生徒会からだ」
玲司、個室を出る
残された伊織、椅子の上に置きっ放しの玲司の鞄を見る
〇カフェ・フルクトゥスの廊下(放課後)
玲司、スマホの電話に出る
玲司「私だ」
生徒会役員「あ、会長! すみません、交流会の最中なのに」
玲司「……で、何があった」
生徒会役員「今の内にと思って書類をまとめているんですが、昨年の文化祭の――」
〇カフェ・フルクトゥスの個室(放課後)
玲司、個室に戻る
玲司「すまない。せっかく二人で話せる場だというのに」
伊織「ん!? だ、大丈夫だよ別に。ふふ」
玲司、伊織の顔が赤い事に気づくが、深くは訊かない
伊織「そ、そういえば、玲司さんの好きなミステリー作家さんの新刊、本屋さんで見かけたよ。ちょっと行ってみない?」
玲司「ああ、いいな。気分転換になる」
玲司、鞄を持ち上げる
