〇聖カメリア女学園高等部一年一組の教室(昼)
クラスメート「拝見しましたわ絵里さん! 伊織様が、あのような……これが殿方との交流なのですね……」
クラスメート「漫画などの書籍で拝見しましたが、実際はもっと刺激的なのですね」
絵里「ええ、いつもは澄ましておられる伊織お姉様のあんな表情やこんな表情、わたくしとしても素晴らしい学びになりましたわ」
クラスメート「絵里さんにとってはそちらが本題なのですね」
〇聖カメリア女学園高等部三年一組の教室(昼)
クラスメート「これは……幼馴染みとしても、些か、距離が近過ぎるような……」
クラスメート「やや破廉恥でもあるように、お見受けしますが……」
晴美「皆様の意見はごもっともですわ。しかし、この距離でいる事に嫌悪を覚えない、そこから殿方との交際は始まるのではないでしょうか?」
クラスメート「確かに……人前で行うのは破廉恥ですが、夫婦、その前段階の恋仲となるのなら……」
〇聖カメリア女学園高等部二年一組の教室(昼)
クラスメート「伊織さん! この眼鏡をかけておられる方は、伊織さんとはどのような間柄なのですか?」
クラスメート「幼馴染みとお見受けしましたが、どのような経緯で親しくなられたのですか?」
伊織「玲司さんは一つ上の人でして。父親同士が親しくて、その繋がりで」
伊織(やっぱり玲司さんは人気が出るなぁ。見るからに知的で物静かだし、実際に中身もそうだし)
クラスメート「次回の交流会の内容も楽しみにしておりますわ」
伊織「まあ。ふふ、緊張してしまいます」
伊織(みんなもこんな風に質問攻めに逢ってるのかな……)
〇私立黒岡学園高校の昇降口(朝)
クラスメート「涼ちゃん王子ー」
涼、近づいてくる女子生徒に、にっこりと笑顔で答える
涼「お早う。あれ? シャンプー、二つ前のにしたんだね。やっぱり一番似合ってるよ」
他のクラスメートも近づいてくる
クラスメート「涼ちゃん王子、聞いたぞー。聖カメリアの女子とお茶したんだってな! しかも学校行事で!」
クラスメート「やーん、聖カメリアの御嬢様に盗られちゃう~」
その中で一人だけ、同じ中学出身の生徒が呟く
同級生「いや、緊張感も何も無いだろ。あの松下伊織だぞ。ガサツで、全然女っぽくない……」
〇県立第一東高等学校一年一組の教室(朝)
昴、自分の席で大学入試レベルの参考書を読んでいる
周りにいる他の生徒も同様で、自分の勉強に集中している
一人だけ、小声で話しかけてくるクラスメートがいる
食通「星村氏。どうだったのである」
昴「お茶会の事か?」
昴、参考書から目を離さないまま答える
食通「そう! あのアウラビルディングの八階にある秘されたカフェ〝フルクトゥス〟! 一見さんお断り、予約限定の隠れ家的な存在で、我々食通の間でも情報が出回らない! その名の通りフルーツをメインにしたスイーツを展開するお店なのですが、その他も際立ってレベルが高く――」
昴(だからフルーツケーキは飛び抜けて美味かったのか……)
昴「確かに、美味かったな」
他のクラスメート(あの星村が返事した! しかも機嫌も良い!)
〇私立獅子堂学院高等部の校舎(朝)
下級生「お、お早う御座います」
玲司「お早う」
下級生「せ、先週末に……い、いえすみません何でもありません!」
下級生、ダッシュで遠ざかっていく
玲司「……何だったんだ?」
玲司、周りからの視線を感じる
害意は無いが、居心地は悪い
玲司(この学院に通って六年目。だというのに、未だ私はよそよそしさを抱えている)
玲司、紙の手帳をめくり、今月の予定を見る
金曜日には交流会と書かれ、最後の金曜日はマーカーで囲まれている
玲司(君達に会えるのが、唯一の楽しみだ)
玲司、相貌を崩す
周りの生徒(聖カメリアの女子とのお茶会、そんなに楽しみなんだ……)
周りの生徒(知的な者同士で合うんだわ、きっと……)
クラスメート「拝見しましたわ絵里さん! 伊織様が、あのような……これが殿方との交流なのですね……」
クラスメート「漫画などの書籍で拝見しましたが、実際はもっと刺激的なのですね」
絵里「ええ、いつもは澄ましておられる伊織お姉様のあんな表情やこんな表情、わたくしとしても素晴らしい学びになりましたわ」
クラスメート「絵里さんにとってはそちらが本題なのですね」
〇聖カメリア女学園高等部三年一組の教室(昼)
クラスメート「これは……幼馴染みとしても、些か、距離が近過ぎるような……」
クラスメート「やや破廉恥でもあるように、お見受けしますが……」
晴美「皆様の意見はごもっともですわ。しかし、この距離でいる事に嫌悪を覚えない、そこから殿方との交際は始まるのではないでしょうか?」
クラスメート「確かに……人前で行うのは破廉恥ですが、夫婦、その前段階の恋仲となるのなら……」
〇聖カメリア女学園高等部二年一組の教室(昼)
クラスメート「伊織さん! この眼鏡をかけておられる方は、伊織さんとはどのような間柄なのですか?」
クラスメート「幼馴染みとお見受けしましたが、どのような経緯で親しくなられたのですか?」
伊織「玲司さんは一つ上の人でして。父親同士が親しくて、その繋がりで」
伊織(やっぱり玲司さんは人気が出るなぁ。見るからに知的で物静かだし、実際に中身もそうだし)
クラスメート「次回の交流会の内容も楽しみにしておりますわ」
伊織「まあ。ふふ、緊張してしまいます」
伊織(みんなもこんな風に質問攻めに逢ってるのかな……)
〇私立黒岡学園高校の昇降口(朝)
クラスメート「涼ちゃん王子ー」
涼、近づいてくる女子生徒に、にっこりと笑顔で答える
涼「お早う。あれ? シャンプー、二つ前のにしたんだね。やっぱり一番似合ってるよ」
他のクラスメートも近づいてくる
クラスメート「涼ちゃん王子、聞いたぞー。聖カメリアの女子とお茶したんだってな! しかも学校行事で!」
クラスメート「やーん、聖カメリアの御嬢様に盗られちゃう~」
その中で一人だけ、同じ中学出身の生徒が呟く
同級生「いや、緊張感も何も無いだろ。あの松下伊織だぞ。ガサツで、全然女っぽくない……」
〇県立第一東高等学校一年一組の教室(朝)
昴、自分の席で大学入試レベルの参考書を読んでいる
周りにいる他の生徒も同様で、自分の勉強に集中している
一人だけ、小声で話しかけてくるクラスメートがいる
食通「星村氏。どうだったのである」
昴「お茶会の事か?」
昴、参考書から目を離さないまま答える
食通「そう! あのアウラビルディングの八階にある秘されたカフェ〝フルクトゥス〟! 一見さんお断り、予約限定の隠れ家的な存在で、我々食通の間でも情報が出回らない! その名の通りフルーツをメインにしたスイーツを展開するお店なのですが、その他も際立ってレベルが高く――」
昴(だからフルーツケーキは飛び抜けて美味かったのか……)
昴「確かに、美味かったな」
他のクラスメート(あの星村が返事した! しかも機嫌も良い!)
〇私立獅子堂学院高等部の校舎(朝)
下級生「お、お早う御座います」
玲司「お早う」
下級生「せ、先週末に……い、いえすみません何でもありません!」
下級生、ダッシュで遠ざかっていく
玲司「……何だったんだ?」
玲司、周りからの視線を感じる
害意は無いが、居心地は悪い
玲司(この学院に通って六年目。だというのに、未だ私はよそよそしさを抱えている)
玲司、紙の手帳をめくり、今月の予定を見る
金曜日には交流会と書かれ、最後の金曜日はマーカーで囲まれている
玲司(君達に会えるのが、唯一の楽しみだ)
玲司、相貌を崩す
周りの生徒(聖カメリアの女子とのお茶会、そんなに楽しみなんだ……)
周りの生徒(知的な者同士で合うんだわ、きっと……)
