初恋は実らない?

高校生になって、文理分けのクラス分けになった。
AB組か理系で、CD組が文系クラス。
華と藤堂は文系のC組で、俺は理系のA組。
テスト前は部活が無いから、久しぶりに一緒に帰る。小学生のように華と一緒に歩いているのを見てはやし立てるヤツもいない。もう意識することは無い。
「離れちゃったね」
華はおばさんのような小学校の先生になりたいらしい。
「私は文系だし、航輔君は理系だもんね」
「だな」
俺は父さんの病院を継ごうと思ってる。
だから離れるのはしょうがない。
ただ藤堂が文系なのは気に入らない。

あの2人のことが、いや華のことが気になる。
まだ付き合ってないと思うけど、教室で勉強をしているのが、部活中グランドから見える。
物心が付いたときからずっと好きだった。
でもそんなこと今さら恥ずかしくて言えるわけが無い。

「勉強、判んないとことか無いか?」
たまには一緒に勉強しても良いかなぁと思って聞いてみた。
「大丈夫、潤哉君に教えてもらってるから」
はぁ、いつから名前呼び?
気に入らない。
「んじゃ、頑張れよ。順位が楽しみだよな」
両親が先生で順位を気にして頑張っている。
こんなことを言いたいわけじゃないのに、気が付けば玄関。
「判ってる!」
華は怒って、そのまま別れてしまった。