初恋は実らない？

私達が通っている学校は幼稚舎から大学まであるミッション系の学校で、職員も卒業生がたくさんいる。
航輔の家は隣の佐伯医院。
おじさまがお医者様で、おばさまは学校の校医。
そして2人とも卒業生。
私の両親も父は高校の数学の教師で、母は小学校の先生、そして2人とも卒業生。
いつも航輔ママは｢航輔は偉そうだけど華ちゃんのこと大好きだから、嫌いにならないでやってね｣っておっしゃる。
航輔パパも｢未来の義娘だからな｣と言ってくださる。
２人はそんな会話をずっと聞いて育った。

いつも揶揄ってくるくせに、誰かに虐められてたら飛んでやって来てくれる。
｢華を虐めるヤツは許さない｣
腕を十字にクロスさせ、いじめっ子から守ってくれた。
｢こうくん、はなちゃんばっかりずるい｣
女子からの人気は幼稚園のころから。
｢華はとくべつなんだし、しょうがない｣
何が特別か判らないけど守ってくれてるのを嬉しく思ってた。

戦隊者のヒーローのような航輔は私の初恋でもあった。