初恋は実らない?

俺の部屋の小さなテーブルを挟んで、
「華のことが好きなんだ。
このまま別れたくないし、残ることにした。
もちろん親には学業も疎かにしない約束はした。
返事は急がなくてもいい。今は俺の気持ちを判って欲しいだけだから」
今悪い返事を貰うわけにはいかない。
華は頷いて、「判った、ありがとう」と言った。
今まで意識すらしてなかったんだから、少しくらいは意識して欲しい。
「今はこのままでいい。受験勉強頑張ろう」
内部受験、それに今の成績なら問題ないはず。
「そだね」
素直で鈍感な華。
佐伯は外部受験だと聞いた。
これからゆっくりと、廻りを固めていこうと思った。