最愛から2番目の恋

「番だの最愛だの、俺には分からない。
 ライオンは、生涯番だけの狼や、基本個体で行動する虎とは違って、一夫多妻で群れで生活する種だ。
 女を働かせて、自分は楽をする、それがライオン種で。
 恐らく、ブロディアスも番と呼んだ女以外にも居ただろうし……
 でないと、男妾など出来ない」


 クラシオンは16歳で番に出会った、と大々的に公表して。
 今でもマリツァを最愛様と呼ばせているのに、分からない?
 こちらの方が何を言ってるのか、分からないだ、とガートルードは言いたいが、今は我慢した。


「ブロディアスは娘だけではなく、父親のティグルー公にも上手く取り入って、公爵家の裏の仕事を任されるようになった。
 そしてある日、同様に他の3家で汚れ仕事に従事させられていたクイーネ、リーヴァ、ヴァルチと手を組んで一斉蜂起して、主家の者達を皆殺しにして……これは知っているよな?」

「……ブロディアスの乱。
 ブロディアス記では、天上の神々が彼に力を貸して、腐敗した4家に天罰を下した、となっていました」