最愛から2番目の恋

 実は馬鹿ではなかった夫クラシオン。
 彼が何故、己の世話役や護衛にまで侮られるほどの愚かさを演じていたのかは、分からない。
 それについては聞き出そうとも思わないが。

 時代に逆行するように、国内の環境整備や国民の生活向上よりも軍事費に国費を投じるこの国の。
 この状況を次代の王として、どう思っているのか。
 それだけは、彼からどれ程の怒りを買おうが聞かなくてはならない気がする。


 自分はただのお飾りで、この先もきっと何の発言権も持たされないだろう。
 正直、それを聞いたからと言って、自分が動こうとは思っていない。
 ましてや、母国から支援金を用立てて貰ったり、援助を乞うこともしない。
 冷たい人間なのかも知れないが、アストリッツァはカリスレキアにとっては、侵攻してくるかもしれない仮想敵国だ。
 助けたこの国の民に、母国の民が殺される事もあり得る。