最愛から2番目の恋

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 テリオスとケインは聖都到着後、シェイマス大聖堂へ行き。
 テリオスは奥へと案内されたが、ケインは身に付けていた剣などの得物を取り上げられて、入り口詰所近くの待合室に入れられた。

 現状、ケイン・キーメンスの身分は平民だ。
 自分がこの国のサンペルグ聖教会の最高位に座す大主教アリステア聖下に会えるような身分では無い、と改めて思い知らされた。

 侯爵令息だった頃と変わりなく接してくれるテリオスと共に居るせいで、何処であろうと彼と共に通されていたケインは、平民である事に特段不便を感じていなかったのだが。

 こうして引き離されてしまうと、高位貴族の子息ではなくなった自分では、いざと言う時。
 テリオスを守れないことに気付いてしまった。


 今回の件では、初めてアリステア聖下の思惑とは違う将来を選ぼうとしているテリオスを、聖下はどうするのか?
「直ぐに戻るから、それまで居眠りでもして、体を休めていろ」と言い残して、聖騎士に連れられて行ったテリオスと再会出来るのか?
 ただ待つしかないが、その時間は永遠にも思われた。


 テリオスが戻ってくるのを待ちわびて、どれくらい経ったのだろうか。
 再び、聖騎士に先導されてテリオスが戻ってきた。