「アストリッツァの目的は、姫様の私有財産です。
私も姉も、何度も姫様に翻意を促しましたが。
あの獣人達に母国を蹂躙されるよりは、と聞いては貰えませんでした。
その様に何の力にもなれなかった私共ですが、貴方になら。
貴方なら、これからでも姫様を助け出してくださるのでは……
そう思い、姉君のエレメイン殿下からグーレンバイツ帝国のパリロゥ商会を通じて、かつて殿下のご学友だったリーブス氏に辿り着きました。
私など、個人では貴方に直接お会いすることは叶わないからです」
「……お前の話を聞く限り……俺になら、と言われても。
俺に何が出来る? 俺はあのクズの弟だぞ?
そんな俺に……彼女に対して何が出来る、って言うんだ?」
そこには、いつものテリオスの姿はない。
自分に自信がなくて、どうしていいのか分からずに、他からの助言を必要としている、そんな年齢相応の青年に見えた。
私も姉も、何度も姫様に翻意を促しましたが。
あの獣人達に母国を蹂躙されるよりは、と聞いては貰えませんでした。
その様に何の力にもなれなかった私共ですが、貴方になら。
貴方なら、これからでも姫様を助け出してくださるのでは……
そう思い、姉君のエレメイン殿下からグーレンバイツ帝国のパリロゥ商会を通じて、かつて殿下のご学友だったリーブス氏に辿り着きました。
私など、個人では貴方に直接お会いすることは叶わないからです」
「……お前の話を聞く限り……俺になら、と言われても。
俺に何が出来る? 俺はあのクズの弟だぞ?
そんな俺に……彼女に対して何が出来る、って言うんだ?」
そこには、いつものテリオスの姿はない。
自分に自信がなくて、どうしていいのか分からずに、他からの助言を必要としている、そんな年齢相応の青年に見えた。



