最愛から2番目の恋

「リデルさん、今日のお仕事は早めに終わられたんですか?」

「今週からしばらく休む事にしました」

 リデルは自分の仕事に誇りを持っている、とジェイからは聞いていた。
 それをしばらくの期間休む、と言うのは。


「失礼ですが、お子様が?」

 リデルはテリオスの問いに、無言だが嬉しそうな笑顔を見せて頷いた。
 あぁ、それで、とテリオスは納得した。

 急用なら、わざわざケインに手紙など出さずに、行き慣れた王都にジェイは単身来たはずだ。
 その方が話が早い。
 だが、ジェイは懐妊したリデルを1人家には置いていくことが出来ずに、テリオスを呼びつけたのだ。
 全てにおいて妻を最優先するジェイらしい、と言えばらしいが、来なければ必ず後悔する、と言う不穏さはどういう事なのだろう。

 リデルはその訳を知っているのだろうか、と彼女に尋ねようとした時。
 ドアを開けて、この家の主人ジェイ・リーブスが帰宅した。
 それを見て、立ち上がりかけたテリオスの動きが止まった。
 ジェイは1人ではなかった。



 彼の後ろには、見覚えのある男が続いていて。
 ……男の名前は、確かパーカーだったか。
 テリオスの兄、ユーシスの元婚約者。


 カリスレキアの第2王女ガートルードの幼馴染みで。
 彼女の護衛をしていた男だった。