最愛から2番目の恋

 ガートルードは、彼等を見送って、今一度。
 動揺してこちらを見ている皆に、頭を下げた。


「葬儀の日程など、決まり次第に布令を出しますので、お待ちくださいませ。
 本日は、お集まりくださいまして、誠にありがとうございました」


 それ以外に言うべき言葉も見つからず。
 彼女も女官に誘導されて、会場を出た。
 アストリッツァ王族の葬儀の一通りの流れなどはまだ教えられてはおらず。
 慌てて動くより、部屋で大人しく指示を待つことにした。


 取り敢えず夜会用の化粧や香水は落とさなくてはならない。
 頭のなかで段取りを思い浮かべながら、番にほっておかれたマリツァの方を見やれば。

 彼女もまた、女官に手を取られて立ち上がったところだった。

 
 アストリッツァでは葬儀関連行事で、どのように妊娠中の妃が扱われるのかは知らないが。
 母国カリスレキアでは、一般的に妊婦は葬儀には参列出来なかった。
 こちらでも同様の決まりがあるのなら、次に彼女の姿を見るのは、王妃の葬儀が全て終わってからだろう。


 マリツァはガートルードより5歳上の女性だが、いつも守ってくれていた番が隣に居ない不安に揺れる彼女の姿は。
 
 自分よりもずっと幼い少女に見えた。