最愛から2番目の恋

 この清らかとは言えない集金システムを作り上げたのが、クロスティアの王太子テリオスの大叔父で、現教皇猊下の金庫番のアリステア聖下だと言うのは有名な話だ。
 豊富な資金力と急激に布教された信仰心を両手に握り、表に出ない組織と繋がったサンペルグ聖教の権力は盤石になった。

 ガートルードが口座を持つことが出来たのは、まだ婚約破棄となる前に、テリオスが紹介状を用意してくれたからだ。
 弟であったテリオスも、兄ユーシスを信用していなかったからだが、サンペルグに口座が持てるような財力を彼女が手に出来たのは。
 ユーシスの有責によるクロスティア国からの賠償金だったのは、皮肉な話だ。
 

「番の前で格好いいところを見せたかったのでしょう。
 好きなように言わせておけば、いいの」


 ガートルードはテレサに笑って見せた。


  ◇◇◇


「なかなか踊れるな。
 あの男と踊っていたのか?」


 音楽に紛れての、夫の問い掛けに。
 ガートルードは反射的に頷いたが、多分……あの男とはブレイクの事だな、くらいの感じの頷きだ。