最愛から2番目の恋

「王太子妃の本年度の予算が幾らなのかは、まだ説明も受けておらず把握しておりませんでしたが、最愛様はわたくしの年間予算額をご存じなのですね?
 その上で、最愛様より少ない額で、ドレスを新調するなどもっての他だと。
 わざわざここまで、ご指導に来てくださったのでしょうか?」

「そっ、そう、その通り。
 理解したのなら、カッツェを呼び戻して、返品するの!」

 マリツァのこの勢いから想像するに、今回の夜会で彼女はドレスを新調出来なかったのだろう。
 それ故、許せなくて、思わず文句を付けに来たわけで。
 警戒していたより単純な女性なので、ガートルードは楽しくなる。


「返品は致しません」

「あ?」

「返品は致しません、と申しました。
 今回は自分で購入致しましたので、王太子妃予算には手を付けておりませんの。
 もしクラシオン殿下も御心配なされておられるようなら、その様にお伝えくださいませ」

「な、何言ってるのよ!
 あんたはしけた持参金と、ささやかな年金しか用意して貰えなくて、婚姻式も行えないんじゃない!」

「そうですね、確かに国からは」

「だったら……もしかして隠れてお金を持ち出してきたの?」

「カリスレキアの国庫から?
 隠れて持ち出せば、例え王家の者でも窃盗ですね」

「じゃあ、じゃあ、何を」