最愛から2番目の恋

「あの、お願いがあるのだけれど。
 明日の午後でも良いので、王都で人気のあるデザイナーを呼んでくださる?
 ただし、最愛様とは違うデザイナーで、上品なデサインを得意とする者で」

「……妃殿下のドレスでしたら、こちらで用意した物では御満足いただけないと仰せになられますか?」

 一瞬、宰相の小さな目が光ったが、ガートルードは遠慮しない。


「いいえ、心尽くしのドレス、どれも素敵で満足しています。
 けれど、わたくしはお飾りの妃でしょう。
 クラシオン殿下が仰っていらしたの。
『お飾りとは、飾っていくらのもの』と。
『建前だけでも、きちんと遇されているように』わたくしは見えなくてはなりません。
 容姿が側妃より美しくない正妃は、着ているものだけでも側妃より美しくしないとならないのです。
 それで、考えていたのですけれど、ドレスのどこかには奥ゆかしく殿下のお色を入れたいと思うのです。
 あからさまではなく、あくまでも奥ゆかしく。
 それに気付いて、驚く殿下のお顔と悋気を起こされた最愛様のお姿を見るのは、楽しいのではないでしょうか。
 婚姻式が中止にされたのですから、これくらいの悪戯は許されますわね?」


 最後は脅しをかけるような形となったが、宰相が微かに頷いたので。

 ガートルードは自分に、加点した。