最愛から2番目の恋

「護衛についての希望? そんなものは特に無いわ。
 アストリッツァでは、いちいち希望を聞いて、それに沿った人選をするの?」

「……」

「理由があるのね? 何かしら?」

 護衛についての希望を聞かれるとは思ってもいなくて、単純に興味があって尋ねただけなのに、宰相は近衛隊長と目を見交わせて何も言わない。
 何かしら、都合の悪い話がありそうで。
 これは絶対に聞き出さねばなるまい。


 根比べのように、そこから先はガートルードも沈黙を続けたので。
 諦めたクイーネが白状した。


「……カリスレキアで、長年妃殿下の専属護衛に付いていたブレイク・パーカーの事です。
 調べによると、通常カリスレキア王家では、王子王女の身辺には未婚の者を置かない決まりとか。
 現にサージェント王太子殿下の世話役は既婚女性のみで、その中でも御身に触れるような仕事を受け持つのは男性であるとか。
 第1王女のエレメイン殿下におかれましても、専属護衛は既婚者に限定されております。
 ですが妃殿下の場合はこの限りではなく……」


 あぁ、ブレイクね……

 ガートルードは、メーリン公国で今生の別れとなった幼馴染みの専属護衛の事を思い出した。