最愛から2番目の恋

「2番目の女のその後なんかお気になさらず、貴方は最愛様の幸せだけを考えたらいいのです!」  

「お、おう……分かってる……」

 ガートルードに謎のポーズで飛び掛かられて、取り押さえられ、再び気合いを入れられるのを恐れてか、クラシオンが間合いを取るように後退りした。


 本当にこいつは、最後まで何なんだ。
 こちらはお前の2番目になったつもりなんて、1度もない。
 この爪が本物なら、そのすました顔を引き裂いてやりたい。


「あいつ、やっぱり消した方がよくないか?
 あれが国王になったら……この国は滅ぶんじゃないか?」

 喧嘩を売りたくて、苦笑いをしているクラシオンに聞こえる声で言うテリオスの手を引いて、馬車の所まで連れていく。
 このひとが、これ程好戦的だとは思いもしなかった。
「俺には荒事は向かないし、やりたくないから」なんて、どの口が言ったのやら。


 後ろでは、3人のやり取りを見ていたテレサが、手を振るクラシオンに
「禿げろ、禿げろ、将来は絶対に禿げてしまえ」と呪いを掛けている。