最愛から2番目の恋

 そう答えた彼の。
 あの日のテリオスがどんな表情をしていたのか、ガートルードには思い出せない。





「君のことはガーティじゃなくて、トゥルーディと呼んでもいいかな。
 ずっと、俺だけがそう呼びたかった」

「……じゃ、わたしも。
 ……わたしだけ、貴方をテリィと呼ばせて」

「それはいいね……嬉しいよ」


 テリィは、少し照れたように笑って頷いた。
 家族からは愛称ではなくて、名前で呼ばれていると聞いた。
 友人達からもテリオスはテリィなんて呼ばれた事がなかったのだろうか。
 『殿下』だった可能性の方が高い。


 そう言うガートルードも、トゥルーディなんて初めてだ。
 こんな日が自分に来ると想像した事もなかったガートルードは、嬉しそうな顔をして、お互いを愛称で呼び合っていた夫ラシィと側妃マリィの気持ちが今になって分かった。

 最愛様に子供みたいな愛称で呼ばれてやに下がって、馬鹿だろう、とクラシオンを蔑んだ事を本当に申し訳なく思い返した。