自分が理想としていた、賢い女にはなれなかったと自覚していたけれど。
本当は途轍もなく馬鹿なのかもしれない。
何がテリオスの機嫌を損ねたのか分からない。
クラシオンの背中を偉そうに叩いて気合いを入れたけれど、自分こそ人生を子供の頃からやり直した方がいいのかも、とさえ思った。
「……どうして、別々の馬車で帰ると思ったの?」
表情は曇らせたままだが、尋ねるテリオスの声は優しい。
腹立ちを誤魔化すために、母の王妃に優しげに話す彼を見てきたから、今回はその突き放すような口調では無い事が分かって、怒っていないと安心した。
それでも。
「カリスレキアよりもクロスティアの方が近いから……別々に帰るのだと思ったの。
わたしに合わせてくれて、貴方は長い間、国に帰れなかったでしょう」
「俺の筆頭秘書は、私生活は問題有りだけど、仕事は出来る男でね。
代わりにバリバリ書類の山を片付けてくれる側近の鏡みたいな奴だからね。
帰国したら、ざっと説明を受けて、サインするだけ」
そうだった、テリオスは
「側近とは、自分の代わりに仕事をする役割の人間だ」とうそぶいていた。
本当は途轍もなく馬鹿なのかもしれない。
何がテリオスの機嫌を損ねたのか分からない。
クラシオンの背中を偉そうに叩いて気合いを入れたけれど、自分こそ人生を子供の頃からやり直した方がいいのかも、とさえ思った。
「……どうして、別々の馬車で帰ると思ったの?」
表情は曇らせたままだが、尋ねるテリオスの声は優しい。
腹立ちを誤魔化すために、母の王妃に優しげに話す彼を見てきたから、今回はその突き放すような口調では無い事が分かって、怒っていないと安心した。
それでも。
「カリスレキアよりもクロスティアの方が近いから……別々に帰るのだと思ったの。
わたしに合わせてくれて、貴方は長い間、国に帰れなかったでしょう」
「俺の筆頭秘書は、私生活は問題有りだけど、仕事は出来る男でね。
代わりにバリバリ書類の山を片付けてくれる側近の鏡みたいな奴だからね。
帰国したら、ざっと説明を受けて、サインするだけ」
そうだった、テリオスは
「側近とは、自分の代わりに仕事をする役割の人間だ」とうそぶいていた。



