最愛から2番目の恋

 サンペルグ聖教とは距離を取っているとは言え、全大陸に信者を持ち、勇猛な聖騎士軍をも有する教皇猊下とは事を構えることを避けたいアストリッツァは、お飾りの妃にこだわってごねるよりも、縁を切る方を選んだ。 
 
 その御礼と言ってはなんだが、今回はカリスレキア側の都合による破棄なので、輿入れ時のガートルードの持参金を全額アストリッツァに譲渡して、今回の婚姻は無かったことに収まった。
 

 
 翌日早朝に、予定されていた日数以上にガレンツァに留まっていた両親は、急ぎカリスレキアに帰国した。
 それと入れ替わるように、クロスティアから護衛騎士が18名と馬車が3台届けられた。
 その内の2台と騎士6騎は、ガートルードに貸し出してくれて、1台は彼がクロスティアまで乗って帰るのだと思った。

 何故なら、アストリッツァからはカリスレキアとクロスティアは方角が違っていて、ここで別れて、それぞれの国へ帰るのだと思い込んだのだ。