彼女はクイーネの庇護のもと、高等学苑卒業後は他国へ留学もさせて貰っていた。
先祖がかつて仕えていたアフヴァーナ家の子孫だから、と実子と変わらずに養女の彼女を育て上げた挙げ句、その死を
「天国で、皆様に褒められて、喜んでいる」と言われたクイーネが哀れで。
ガートルードは思わず涙腺が緩みそうになるのを耐えながら、テリオスがアレッサンドラの自供が記された調書を読み上げるのを聞いた。
王妃が購入した香水を出入りの商人から預かり、その箱を王妃付きの専属侍女に手渡す前に、香水瓶の蓋に毒を仕込んだのが7年前。
留学を終えて、養父の秘書官として働きだして2年目の彼女は当時25歳だった。
王妃は侍女達の手による全ての身嗜みを終えてから、香水だけは自らの手で吹き掛けていて、親しい侍女にも誰にもお気に入りの香水瓶には、決して触れるのを許さなかった。
そのような王妃の日常を1年以上かけて調べた上での、たった1度きりの犯行で、アレッサンドラは王妃と直接接触する事もなく、銀の毒を仕込むことに成功した。
もし、このまま何事もなく、ガートルードがお飾りの王太子妃を続けていれば。
自分の日常も彼女に観察されて……と想像して。
ガートルードはその身を、震わせた。
先祖がかつて仕えていたアフヴァーナ家の子孫だから、と実子と変わらずに養女の彼女を育て上げた挙げ句、その死を
「天国で、皆様に褒められて、喜んでいる」と言われたクイーネが哀れで。
ガートルードは思わず涙腺が緩みそうになるのを耐えながら、テリオスがアレッサンドラの自供が記された調書を読み上げるのを聞いた。
王妃が購入した香水を出入りの商人から預かり、その箱を王妃付きの専属侍女に手渡す前に、香水瓶の蓋に毒を仕込んだのが7年前。
留学を終えて、養父の秘書官として働きだして2年目の彼女は当時25歳だった。
王妃は侍女達の手による全ての身嗜みを終えてから、香水だけは自らの手で吹き掛けていて、親しい侍女にも誰にもお気に入りの香水瓶には、決して触れるのを許さなかった。
そのような王妃の日常を1年以上かけて調べた上での、たった1度きりの犯行で、アレッサンドラは王妃と直接接触する事もなく、銀の毒を仕込むことに成功した。
もし、このまま何事もなく、ガートルードがお飾りの王太子妃を続けていれば。
自分の日常も彼女に観察されて……と想像して。
ガートルードはその身を、震わせた。



