最愛から2番目の恋

 彼は人任せにせずに、わたしの指を切り落とした。
「怖かった、震えた」と言うけれど、わたしにも周囲にもそれを決して見せずに一気に落とした。


 この傷が癒えて、包帯を外した時、わたしは失くした指を惜しむのではなく、誇りに思うのだ。


 普段は剣を持たないと決めて、それを公言していた彼が。
 面倒な事は側近にやらせる、と笑っていた彼が。
 わたしのために、自ら剣をふるってくれた、と。



「いいえ……利益も不利益も。
 過去も現在も未来も。
 長く考えてくださった上で、迎えに来てくださったのなら、その方がわたしは嬉しい。
 その方がわたしは……貴方の言葉を信じられる」

「……それは、承諾してくれた……と受け取っていいの?」

 恐る恐るといった感じで、テリオスに尋ねられて、ガートルードは頷いた。


「はい……わたしでいいと言ってくださるのなら」

「君でいいんじゃない、君がいいんだ。
 ……俺は君しか要らない」


 言われた言葉に、今まで抑えていた想いが溢れ出た。
 今なら、伝えられる。
 もう我慢などしなくてもいい。


「わ、わたしも……今まで……」

 しかし、それは言葉にならず。

 
 わたしも貴方でないのなら、誰も要らない、と……
 ずっと、ずっと……



「獣人のように最愛の番などと、声高に俺は言わない。
 だが、君はこれからの俺の人生で、ただひとりの特別な女性だ。
 俺の最初で、最長の、最後の女性、になって欲しい」


 テリオスに抱き寄せられて、ガートルードは幸せな涙を流した。