最愛から2番目の恋

 ガートルードの左手は、手首から包帯でぐるぐる巻きにされている。
 親指、人差し指、中指に小指の先が見えていたが、薬指は見えない。

「薬指だけで、済んだのですか……」

「ステファノ・ヴァルチが思っていたより素早く動いた。
 直ぐに蛇獣人の女官を呼んできて、君の手首を噛ませたんだ。
 緊急だったから直接噛ませたけど、今は時間を測って鎮痛薬を注射しているから、痛みはないと思うけど」

 ……あの物凄く痛かったのは。
 蛇獣人の牙で手首を噛まれて、麻酔毒を入れられた痛みだったのか。
 
 あぁ、その女官は恐らく、サレンディラにも噛みついた人だ。
 彼女にとっても大変な1日になったわね、何か褒美を取らせなくっちゃ、と半ば夢の中にいる状態のガートルードはぼんやりと考える。

 
「……王族教育で、少量だが毒物に体を慣らしていた、と聞いた。
 それに君もギリギリまで指の付け根を押さえていただろう?
 毒のまわりを遅らせるために、縛っていた布を緩めた。
 先ずは指だけ落として血を抜いて、毒物反応を確認して。
 それで駄目なら手首から、それでも駄目なら肘先を切り落とすと決めて……」

「わ、わかりました……もうそれ以上は言わなくて、いい……」