最愛から2番目の恋

 お願い、わたしを王妃と同じ様に7年も苦しめないで。
 今ならまだ、間に合うかもしれないから。
 お願い、誰かわたしの、わたしの腕を切り落として!


 テリオスに代わり、背中からガートルードを抱いているのは父だ。
 これから腕を切り落とされる娘から目を背けずに、父が抱いてくれている。



「早く!肩と肘と!
 毒だ!緩く縛れ!」


 叫んでいるのは、誰?
 ……あぁ、テリオス?
 貴方なの? ……剣を抜いたのは。
 まさか貴方が、わたしの腕を切り落とすの? 


 貴方、ずっと仰っていたんでしょう、荒事は苦手だって……
 そんな貴方が? 腕を切り落とす?
 ねぇ、冗談で……貴方が……ケインとか、他の人に任せないの?


 

 左手薬指の指先が微かに痺れ始めている。
 これくらいの痺れなら、王妃が気付かなかったのも無理はない。
 さすがね、アフヴァーナの銀の毒は……とこんな時でも感心してしまう。


 テリオスが真剣な表情で、剣を上下に振っている。
 失敗は出来ない、と自分を奮い立たせているのだろうか。
 

 ……いいわ、貴方に切られるのなら。
 だけど、出来るだけ、うまく……痛くしないで……
 一刀でスパッと落として……あぁ……