最愛から2番目の恋

 この疑いを彼女に悟られないように、表情に出ないように。
 気を付けていたのに!


 あっという間に、アレッサンドラ・クイーネはテレサの側まで来ていた。
 親しげな微笑みを浮かべて、彼女がテレサに話しかけるのが見えた。

 咄嗟に「逃げて!」と叫んで、テリオスの手を振りほどいて、2人に向かって手を伸ばしていた。
 

「駄目! やめて! 離れて!」

 周囲は何が起こったのか、理解出来ないようだった。
 仲が良さそうに見えていた3人だ。
 手を取り合っているようにさえ見えただろう。

 ガートルードは初めて、自分が何もかもひとりで抱え込んでいたことを後悔した。
 せめて、テレサには話しておくべきだった。
 クイーネへの疑いも、アレッサンドラへの警戒も。
 ただ、理由も言わずに命じていた。


「彼女が来たら、手袋をして。
 何も触らせないで」



 だが、それもまたガートルードは間違っていた。
 それに気付けた時には、もう遅かった。