国王が自分の侍従に丁寧に言葉を掛ける。
殿下、の言葉に皆が驚いて。
自分を馬鹿にして煽った侍従を切り捨てよ、と差した指先を公爵が下ろしかけた。
「承知致しました。
では、改めて自己紹介を……私はクロスティア。
テリオス・ミロード・クロスティア」
素早く構えを解き。
剣を仕舞ったその手で。
テリオスは失くした眼鏡の代わりに、長い前髪で隠していた瞳を露わにした。
それを真正面から見たヴァルチ親子は、目を見張った。
「……確かに、クロスティアの紫……何故、王太子殿下がここにいらっしゃったのですか……」
有名なクロスティア王家の紫色の瞳を見たヴァルチ公爵が、今までカリスレキアの貴族子息ごときと侮っていた侍従姿のテリオスに、恐る恐る尋ねていた。
クロスティアは、アストリッツァやカリスレキアよりも大きく、古い国で、サンペルグ聖教とも深く結び付いている強大な国だ。
4神虫獣時代ならまだしも。
王座が入れ替わって、たかだか150年くらいの歴史しかない新生アストリッツァの公爵では、クロスティアの王太子には遠慮するしかない。
「私は婚約者を迎えに来た」
「……婚約者と仰せになられますか?」
殿下、の言葉に皆が驚いて。
自分を馬鹿にして煽った侍従を切り捨てよ、と差した指先を公爵が下ろしかけた。
「承知致しました。
では、改めて自己紹介を……私はクロスティア。
テリオス・ミロード・クロスティア」
素早く構えを解き。
剣を仕舞ったその手で。
テリオスは失くした眼鏡の代わりに、長い前髪で隠していた瞳を露わにした。
それを真正面から見たヴァルチ親子は、目を見張った。
「……確かに、クロスティアの紫……何故、王太子殿下がここにいらっしゃったのですか……」
有名なクロスティア王家の紫色の瞳を見たヴァルチ公爵が、今までカリスレキアの貴族子息ごときと侮っていた侍従姿のテリオスに、恐る恐る尋ねていた。
クロスティアは、アストリッツァやカリスレキアよりも大きく、古い国で、サンペルグ聖教とも深く結び付いている強大な国だ。
4神虫獣時代ならまだしも。
王座が入れ替わって、たかだか150年くらいの歴史しかない新生アストリッツァの公爵では、クロスティアの王太子には遠慮するしかない。
「私は婚約者を迎えに来た」
「……婚約者と仰せになられますか?」



