最愛から2番目の恋

「止めよ! 王太子妃殿下とカリスレキアの国王陛下に、剣を向けるな!
 直ぐに散れば、咎めない!
 囲むな! 散れ! 早く!」


 父親からは、行けば勘当する、と言われ。 
 テリオスからは、この話は無かった事に、と言われ。
 ガートルードから見ても、セシオンは可哀想なくらいに狼狽えてはいたが、父親の命令を必死で取り消そうと周囲に声を張り上げた。


 そんなセシオンが気の毒だったのだろう。
 緊迫した場を救ったのは、ガートルードの父のカリスレキア国王だった。


「公子がお気の毒だ。
 テリオス殿下、そろそろ明かしましょう。
 この時間が勿体ない。
 貴方が身分を明かせば、公子は動ける」