最愛から2番目の恋

「ち、父は……助け出した時には、もう……全身火傷状態で。
 手の施しようがない、と……20分程前に……」

 あの宰相が?
 手の施しようがない、とは……まさか亡くなった?
 その報告に耳を疑った。
 テレサも知らなかったのだろう。
 繋いだ手に力が入っている。
 主が亡くなっていない事に、改めて感謝と。
 この国では他者に比べて、顔を合わす事が多かったクイーネの死に、衝撃を受けているのだ。


 そんな、まさか。
 彼が、クイーネが……ここで死ぬなんて、思ってもみなかった。
 今朝も、彼と打ち合わせをした。
 クラシオンが帰った事を、いつもの調子で、長々と何度も謝罪された。
 カウントはしなかったけれど、ゆっくり数えても軽く3000は超える長さだった。


 何より……納体の儀の席順も段取りも作法に乗っ取って、彼が全て決めていた。
 もしも、クイーネがこの爆破事件の主犯だったなら。
 火薬を仕掛けられた箇所も把握していて当然で、被害にあわない席に付いていただろう。
 それなのに……彼は全身に火傷を負って?
 ……では、宰相は黒幕ではなかった?