最愛から2番目の恋

「妃殿下、ご無事でしたか!
 良かった、本当に……良かった」

 いち早く、砂埃で汚れた王太子妃に気付いて小走りに駆け寄って来たのは、世話役のアレッサンドラだ。

 今更、心配をしていたふり?
 走れるくらいに元気なら、テレサじゃなくて。
 あの場に居た世話役の貴女が、脱出する前に探しに来るべきじゃないの?
 ご無事で良かった、なんて本当に?


 そう言いたいのを隠して、ガートルードはアレッサンドラに微笑んでみせた。


「最初に飛ばされたから、どうにかよ?
 誰も助けに来てくれないから、ずっと中で救助を待っていたの。
 貴女も無事で何よりでしたね。
 で? お父様の宰相殿はどちらに?
 1番最初に助け出されて、ご無事なのでしょう?」


 お飾りの王太子妃の事など誰も心配せずに、救助にも来なかった。
 つくづく自分が、この国の者からは本当は軽く扱われていたんだと実感して、嫌味を言わずにはいられない。

 あの慇懃無礼な宰相め、会ったら最初に何と言ってやろうか。
 いつもの調子で「失礼ながら、妃殿下に置かれましては」なんて言おうものなら……と。
 殺伐とした思いでいたら。
 アレッサンドラの表情が歪んだ。