そんなガートルードの想いにも気付かず、テリオスは平常運転だ。
 

「小規模爆破とも言えない火薬量だが、霊廟を燃やそうとするなんて、ここはレオニードの地元だろう?
 どうして……」
 
「……本当の出身地は西の方で、ガレンツァは元々は白虎ティグルー家の領地だったと聞きました」

「あぁ、そうか……ブロディアスは簒奪者で、ティグルー公爵の身代を丸ごと奪って、自分の物にしたんだった」


 それだけ言えば、テリオスも気付いたのだろう。
 

「国王と王太子が欠席する事を知らなかった白虎の末裔の仕業か。
 ブロディアスの乱から何年経っていると……」

「多分、軍備拡張を進める国王と番に夢中な王太子。
 軍事力増強のために、働き手を軍に奪われた家も多いのに、税は増え続けています。
 お飾りのわたしはついでだったのでしょうが、成り上がりの獣人御3家一同も揃っていて、こんな機会は2度と無いと決行したのだと思います」