最愛から2番目の恋

 燃やしていた松明も引き倒され、外からの微かな光が所々にしか入らない薄暗い中でも彼だと認識出来たのは、やはり好きなひとだからだろうか。

 金髪を茶色に染めた髪色は薄汚れていたが、レンズの奥に隠れていたクロスティア王家特有の紫色の瞳が、必死で彼女を見つめている。


 彼が口にしたケインが誰なのかは分からなかったけれど。
 両親が無事だったと聞いて、テリオスが無事だった事にも、安堵の涙が流れた。


「父と母を助けて……くださって……
 ありがとう……ありがとうございます。
 ……あな、テリオス様もお怪我は?」

「俺は後に居たから、大丈夫。
 君が無事で居てくれて、本当に良かった……
 どこか痛む?」

「わたくしは……わたしは大丈夫です。
 ご心配をお掛けして、申し訳ありません」

「何、言ってるの……謝ることじゃない」

 己を俺、ガートルードを君、と言うテリオスは初めてで。
 いや、それよりもこんなに間近で。
 テリオスの腕の中に居るなんて。