最愛から2番目の恋

 右隣に居たクイーネや同じく最前列に居たヴァルチ家の連中は?
 世話役であり、宰相の娘でもあって、後ろの2列目に座っていたアレッサンドラもどうなったのか?

 彼女とは惨事の前に、後ろを向いた瞬間、目が合った。
 あの時の彼女の表情を見て、わたしは何かを感じて……
 


 誰もがお飾りの妃など気にしていないのか、ガートルードの安否確認をする声は1つも無かったのに。
 もう駄目だ、と諦めた瞬間に抱き上げられて、殺到する人波から保護された。


「ガートルード! ガートルード!」

 自身も人にぶつかられ、押されているのに。 
 それに背を向け、壁との間に隙間を作り、誰からも彼女が圧されないように、そのままガートルードを離さない。
 そして、その懐かしい声が、何度も彼女の名を耳元で叫ぶから。
 痛みに混濁しかけていた意識が戻る。
 


「ガートルード! 安心してくれ!
 ご両親はブレイクとケインが連れ出した!」

 右往左往する人波から彼女を庇い、抱き上げた人物が、尋ねる前に教えてくれる。

 それは眼鏡を飛ばされたテリオスだった。