最愛から2番目の恋

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 金髪に紫の瞳のテリオスが髪を染め、瞳を眼鏡と長めの前髪で隠して、カリスレキア国王の侍従として現れた状況の判断もつかぬまま、もうすぐ開始時間だと案内役に促された。
 一行は、広大なレオニード家本邸の敷地内にある霊廟に向かった。


 霊廟内では既に着席していたガレンツァ領の有力者達が立ち上がり、頭を下げ胸に手を当てて、現王家一行を出迎えた。
 従順な態度を示す有力者の中には、この地をまだティグルー家が治めていた頃から住んでいた者の子孫もいるだろう。
 そんな彼等は、レオニードを始めとするクイーネ、リーヴァ、ヴァルチの一族を、本音ではどう思っているのか。


 ガートルードの心の内は、2年ぶりに会えたテリオスの事で千々に乱れているが、頭の中はそちらに切り換えるようにした。
 背後からアレッサンドラが
「席順は名簿通りになっております」と報告するのに頷く。
 儀式終了後に、どの順番で声を掛けるのかを改めて吟味した。



 季節はまだ春先だが、王妃が亡くなって2週間が過ぎている。
 防腐処理はされていても、遺体の匂いを消すための多くの花が棺の周りに飾られていた。

 そのむせ返るような香りの中、入場した全員が着席し、納体の儀が始まり。

 直後に、それは起こった。