最愛から2番目の恋

 宰相アマンド・クイーネは、性格は真面目で、主に忠実と一般的に知られる犬獣人だ。
 今ではその血は薄れているだろうが、レオニード王家を支える獣人御3家の中でも忠誠心は1番、と調書にもあった。
 それなのに……
 

 そのような理由から、ガートルードの内では宰相のクイーネは未だに信用しきれていないが、現状ではどうこう言えない。
 取り敢えずクラシオンもこれからはクイーネを警戒する、と言っていた。
 この先クイーネ父娘については、彼がなんとかするだろう。
 

 わたしは今日だけ、無事に乗りきれればいい。
 後は、アストリッツァだけで解決して、だ。

 帰国予定のお飾りの妃ガートルードは。

 これ以上、余計な口出しはしたくないし、関わりたくはなかった。