最愛から2番目の恋

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 カリスレキアの両陛下が到着された、と先触れが来たのは、クイーネと今後の動きについて、打ち合わせをしていた最中だ。
 アストリッツァ王家は、いにしえの獣神を信心していて、サンペルグ聖教とは距離を置いている。
 ガートルードが知る聖教とは違う納体の儀の式次第、また下世話な話だが謝礼についても、今一度確認をしていたのだった。


 ガートルードはクラシオンには、
「わたしから宰相に伝えます」とは言ったが、昨夜王太子からレオニード家の過去について教えて貰った事も、自分が夫を側妃のもとへ帰した事もまだ伝えていない。


 クイーネは、出自のはっきりしないアレッサンドラという女性を幼い頃に養女に迎えた。
 そして彼女の成人後は秘書官として雇い、王城に出入りさせていた。 

 クラシオンはガートルードの世話役が、クイーネの娘だと聞いて、驚いていた。
 彼女を以前から城内で見かけていたが、名前までは知らなかったそうだ。
 王太子が知らないと言うことは。
 国王にも王妃にも、アレッサンドラが自分の娘だと報告していなかった、と言う事だ。