金曜日午前一時。

眠い目をこすりながら、アパートの扉を開けた。

「久しぶりに来ちゃった〜♡」
上機嫌な恋人の駿佑(しゅんすけ)がいた。

お酒の匂いがする。


彼は大学三年で、私より一つ年上。

冷たい空気が一気に玄関へと流れ込む。


ベッドで眠ろうとしていたところで、インターフォンが鳴ったのだった。

あー眠い。


「サム〜さみ、めっちゃサミー」
そう言いながら、駿佑は靴を脱いだ。

私はさり気なく、ダウンジャケットとリュックについた雪をはらう。

「髪にもついてるよ」
そう言いながら、彼の髪から雪を取り除く。

背が高く、二重で整った顔立ちだった。

彼の髪に触れるのも久しぶりだった。

耳たぶが隠れるくらいで、緩めにふわっとした髪型だ。


先ほど寝る前に窓の外をみたら、季節外れの雪が空を舞っていた。

私の住んでる地域では、今年の冬は雪がパラパラ降っていた程度だったのに。

今日は積もっていた。

もう三月で春の陽気の日もあるのに。