「あ、テラス……」 窓の外に白い柵とブラウンのベンチが見える。 「言ってなかったけれど、テラスはどの部屋にも付いていて、つながっているんだ。ベンチは一つずつ色が違う」 ベッドから降りてテラスに駆け寄ると、いつも座っている白のベンチは少し遠い所にあった。 「……あっ、すみません。勝手に……」 玲音は、まだベッドの横の小さい椅子に座っていた。 慌てる私を見て笑みをもらす。 「いや、いい。 というか、本当に自分の部屋だと思ってくれていいから」 「はい」