──ズキンッ



頭に痛みが走り、思わず足を止める。

下を向いて堪え、治るのを待った。

ふぅ、とため息を吐く。
あの人たちを気にしていても仕方がない……。

勉強に専念しなくては。
私はあの人たちとは違うのだから。

前を向き、塾へと歩き出す。



──けれどその日は集中が切れていて、自分でも驚くほどぼんやりとしていた。