「俺は玲音という。王に号令の令と、音」 「玲音さん……」 口に出して首を傾げている。 俺としても呼び捨ての方が気が楽だ。 「呼び捨てで大丈夫だ」 コク、と頷く美夜。 「それで、君はなぜここに……」 本題に入ろうとした時、どこからか聞きなれない鐘の音が響き渡った。 あぁ、前に読んだ『夢の世界の説明書』にあった。 これは、『現実に戻す鐘』だ。 きっと現実の美夜が起きようとしているのだろう。 ……うらやましいな。