そして驚くことに『城』の外には木々が茂っており、『森』に囲まれている。



「この『森』には終わりがないんだ」



玲音がそう言うので、私は無限に続いているだろう『森』を見つめた。

ベンチに座ると、玲音は現実の話を聞きたがる。



「高校……ってどういう所?」



そう聞いてきた時は本当に驚いた。

 

「……玲音は高校に行ったことがないのですか?」

「ああ……随分と前から夢の世界にいるからな。それと、現実での記憶もほとんど覚えていないのもある」



玲音は、来るたび毎日私の生活について聞いていた。
今日はどうだった、とか他愛のない話を。

そして私が話すのを熱心に耳を澄ます。

あまりにも興味深く聞くし、かと思ったらごく当たり前のことを聞いてくるから玲音は本当に人間なのか分からなくなるくらいだ。